臨床心理学ってなんだろう?

読者のみなさん、こんにちは。うみくんとあおいです☆

 

今日は、『臨床心理学ってなんだろう?』をテーマに書きたいと思います。

最近、「マインドフルネス」や「HSP(Highly Sensitive Person; ハイリー・センシティブ・パーソン)」などが巷で流行しているため、臨床心理学という言葉を耳にすることが増えてきたかと思います。ですが、

「実際にはどんな学問なのかピンとこない」「臨床心理学ってカウンセリングと違うの?」など、様々な疑問が湧いてくる方もいるのではないでしょうか。

私たちも、そのうちの二人でした。

 

あおいうみくんは、臨床心理学ってどんな学問だと思ってた?

うみくん:僕は、そもそも「臨床」心理学を知らなかったな。心理学はどれも一緒だと思っていて、「心理学=1対1でカウンセリングすること」だと思ってた。

あおい:わかるわかる。心理学って言うぐらいだから、人の心を扱うのかなあ、っていう漠然としたイメージしかなかったよね。

うみくん:そう。今は「臨床心理学」は実践と研究の両方を包含する学問だっていうことがわかるけど、学び始めた頃は、研究のイメージがあんまりなくて。

あおい:それね。そもそも研究ってどんなことするんですか状態だった(笑)。

うみくん:専攻し始めてから統計の知識をめっちゃつけさせられて、僕何をやらされてるんだ?みたいな(笑)。

あおい:(笑)。私の場合は、臨床心理学=カウンセリング=心理療法だと思ってた。

うみくん:まさに臨床心理学の初学者が犯しやすい勘違いだね(笑)。

 

それでは、うみくんとあおいはどんな勘違いをしていたのでしょうか?

以下で、臨床心理学・カウンセリング・心理療法の違いを説明したいと思います。

 

臨床心理学・カウンセリング・心理療法の違い

実は、日本ではこの3つの言葉は曖昧に使われていて区別がはっきりしていません・・

次の図をみてみましょう

 

f:id:umikun_to_aoi:20210119133947p:plain

 

この図はイギリスにおける臨床心理学の立ち位置を示したものです(『これからの臨床心理学』)。

それぞれについて簡単に説明します。

 

臨床心理学

心理学の1分野ということが図から分かります。科学的な研究に基づく手法によってうつ病の方の支援から、家族問題への介入など様々な問題にアプローチしていきます。「科学的な研究にもとづく」という点から分かるように、心理学の研究方法が基盤になっています。

 

カウンセリング

教育学部に属し、学校・キャリア・結婚等の分野で悩みを抱えた方に対し、情報を提供し、問題を解決することを目的としています。臨床心理学では科学性が重要視されますが、カウンセリングでは人間性が重要視されるという特徴があります。教師・看護師・ソーシャルワーカー、ボランティアを通して支援活動に関わりたい人が学びます。

 

心理療法

狭義にはフロイトによる精神分析のことを指し、広義には精神分析の影響を受けた心理療法を指します。臨床心理学との大きな相違点として、特定の理論にもとづいており、心理学を前提としたものではありません。それぞれの学派で訓練を積んで各心理療法を学んでいくことになります。

 

しかし、うみくんとあおいが臨床心理学の名前を知らず、カウンセリングを学ぶと思っていたように、日本ではこの区別がはっきりとしていないという問題があります・・・

 

日本では、カウンセリングを通して心理療法がおこなわれており、それを臨床心理学と標榜しているのです。

※日本の臨床心理学は、イギリスを例に発展してきたという歴史があります。もっと詳しく知りたい方は、以下の参考書がおすすめです。

『これからの臨床心理学』下山晴彦(2010) 東京大学出版

『臨床心理学』丹野義彦他(2015) 有斐閣

 

終わりに

お分かりいただけましたでしょうか。日本では、臨床心理学とカウンセリング、また心理療法という三つの用語が混同されて用いられているために、それぞれが何を指すのかがはっきりしないという問題があります。

みなさまには、これらの違いを知った上で、心理学に興味を持っていただけたら嬉しいです。

次回は、臨床心理学の基本的な概念である、『エビデンス・ベイスド・アプローチ』について紹介したいと思います。

お楽しみに!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。